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2012年9月25日 (火)

クレーム対応の難しさ

 クレームが発生した時に、企業がどのような対応を取るかは重要な問題です。私は以前欠陥自動車の裁判を何件か担当したことがあります。当時の運輸省は今よりも欠陥に対してずっと鈍感だったので、メーカーも平気で欠陥隠しをしていました。

その中で、対照的な対応をしていたのがトヨタと日産でした。いずれも欠陥は隠そうとするのですが、トヨタは検査を申し出て、車両の検査をしてくれました。その上で、どのような検査をしてどのような結果が出たかを説明してくれました。こちらの主張が通らなくても、被害者はここまでチェックして原因が判明しなかったのなら仕方がないとあきらめることができました。
 
これに対して日産は、個々のディーラー任せでそういうチェックすら受け付けようとしませんでした。裁判をやっても、高い技術と整備された工場で何万台も生産しているが、そのような欠陥は報告されてないなどと言ってくる。報告、握りつぶしているだけだろう。何万台も生産して1台も不具合がないこと自体を疑え。米国が技術の粋を尽くしたスペースシャトルだって墜ちているではないか、などと主張しても、被害者をクレーマー扱いでした。

裁判官の面前で欠陥現象を再現して勝ったケースもありますが、負けたケースも少なくありませんでした。ただ、このような姿勢は、裁判では勝てても市場では勝てませんでした。批判に謙虚に耳を傾けようとしない独善的な企業は、消費者には支持されないということです。
 
クレームを商品やサービスの改良のチャンスと考えれば、対応の仕方はおのずと変わってきます。個々の要求に常にYESと応じるわけには行かないでしょうが、NOと言うにも言い方が違ってくるでしょう。個々の消費者の情報がかつてなく迅速かつ広範囲に広がるこの時代にあって、クレーム対応の重要性は飛躍的に高まっているように思います。
 
なお、自動車の欠陥については、三菱トラックの事故が欠陥によるものと発覚して以来、国交省もメーカーもかなりきちんとするようになってきている印象を受けます。

(櫻井)

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コメント

櫻井先生へ
 先生が自動車会社の欠陥隠し問題を解決したのですか?
 自動車の欠陥隠しが起きた頃、私は八王子の地域病院で町医者をしていました。
毎日忙しく外来で100人位の地域の中高年の方々と話しながら若かった私は「人生の教え」を受けていました。
 町の病院の外来では色んな噂を聞きます。
 その頃、患者さんの中に「車のブレーキを踏んだんだけど車が止まらずに事故になったんだよ。パジェロなんだけどディーラーや三菱に連絡しても相手にして貰えなかったんだ」と言う人がいました。50代位の中年の男性だったと思います。
 私は診察しながら「へ〜そーなんですか、怖かったですねー」などと言いながらも、内心では「アクセルとブレーキを踏み間違えたのかなー?中年男性だと脳梗塞や若年性アルツハイマーも起こりうるし、、」などと思い、まさか本当に自動車に構造的なミスがあるとは考えずにいたのです。
 しばらくたってニュースで三菱自動車のクレーム隠しの問題を見たときは、本当に驚きました。あの時のおじさんの言ってたことは本当だったんだ、と。
 世の中には常識を覆すことが起きるし、人間は常識や先入観で判断しがちだと思い、反省もしました。。。

町医者さん

コメントありがとうございます。三菱の欠陥隠しを暴いたのは私では
ありません。それはそうと、大分前に三菱の経営陣が国交省の役人
に深々と頭を下げる映像を見て、私は、頭を下げる相手が違うし、
ふんぞり返っている役人こそ国民に頭を下げろと思いました。だって
消費者やその代理人弁護士が内容証明を送ったって返事もよこさな
かったんですから。

本当だったら大変、と思うような情報に接したら徹底的な検証をしなけ
ればダメですね。今思えば、原発の問題もそうでした。沢山の批判者を
排除してノー天気な楽観論ばかりで国民をだまし続けた付けが今の
状況ですからね。

櫻井先生へ
鳥保護施設TSUBASAのブログを見ていたら、
鳩がカナリアにいじめられて「禿げちゃった」とありました。
なんと鳥の世界にもいじめがあるようです。。。

>ウスユキバトのハト子さん。
カナリアにいじめられて、剥げちゃってましたが個室にしてあげたらとっても綺麗な鳥に変身しました。
写真は、急に手に乗せられて豆鉄砲くらったようなお顔をしている所。
当日健康だったら、里親会にも参加予定です。
http://ameblo.jp/tsubasa0615/entry-11374857684.html

櫻井先生、事件です!

>文鳥さんらしく、気の強い性格をしています。
>最初はカナリア達と同居していましたが、この子がいじめてしまうため
>別居することになりました
http://ameblo.jp/tsubasa0615/entry-11376936221.html

気の弱そうな薄雪鳩が、カナリアにいじめられて可哀想と思っていたら、
なんとカナリアは、さらに体の小さい文鳥にいじめられていたらしいです!

まるで大学内のいじめの様です!
学長が教授をいじめ、教授は助教授をいじめ
助教授は講師をいじめ、講師は・・・

いじめは循環するようです・・・

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