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2014年1月 7日 (火)

散骨するときの注意点について

散骨とは亡くなった方の遺骨を粉にして海や山にまく葬礼をいいます。

近時、ご自身の遺骨を散骨して欲しいという方が増えつつあります。背景には、自然に還りたい・子ども達にできるだけ負担をかけたくないという思いを持つ方が増えたほか、お墓の取得に相当な費用が発生することもあるようです。

散骨を直接規制する法律は現在のところありません。

しかし、注意して行なわなければ思わぬトラブルを招くこともあります。そこで今回は散骨にあたっての留意点についてお話しさせて頂きます。

 まず、散骨する遺骨は粉状に砕いておくことが必要です。遺骨をそのまま海中等に投棄した場合、遺骨遺棄罪(刑法190条)に問われる可能性があります(前田雅英編集代表『条解 刑法 第2版』501頁〔弘文堂,平成19年〕)。業者に粉骨を依頼する場合は特に問題ありませんが、ご遺族にご自身の散骨を依頼する時には、申し送り事項として言い添えておいた方が良いだろうと思われます。

 また、許可なく他人の土地に撒くことが許されないことは当然ですが、海や自分の土地に撒く時にも注意が必要です。

漁場に撒けば漁業権者からクレームを受ける可能性があります。海に撒く場合には陸地から離れた公海上に撒くなどの配慮を行うことが望ましいとされています。

陸地の場合、自宅の庭への散骨は控えておくことが無難です。自宅の庭への散骨には死者を永続的に弔う墓地新設の要素があるからです(茨城県弁護士会『墓地の法律と実務』〔ぎょうせい,平成13年〕)。墓地の設置には都道府県知事の許可が必要です(墓地、埋葬等に関する法律10条)。無許可で墓地を設置することは許されていません。

また、東京都で墓地設置の許可を得るためには、住宅等からおおむね100メートル以上離れている必要があります(東京都墓地の構造設備及び管理の基準等に関する条例6条1項3号)。この点からも自宅の庭に散骨できるかは疑問です。散骨してしまうと近隣住民から慰謝料を請求されかねません。

ただ、これらは主に遺骨の全てを撒く場合を想定した注意点です。一掴み分の粉を自宅の敷地にそっと埋めたりする分には墓地の新設などと仰々しく考えなくても良いだろうと思います。海に撒く場合も、遺骨の極一部であれば、あまり神経質になる必要はないと思います。

(師子角允彬)

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